しいたけの生理・生態
しいたけ栽培に必要な工程は、
①栄養成長菌糸→②原基形成→③キノコ形成
ざっくりいうと流れはこんな感じです。
①~③の要点だけ下記にまとめます。
①栄養成長菌糸
●「原木に菌を打ち込み、菌を原木に食いつかせてしいたけ菌を蔓延させる」工程です。
一番初めの工程ですが、これが土台となります。
ここをしっかり管理していき良い土台を作れればその後の芽づくりの工程もいい結果につながります。
生産者の方々は初めの土台作りで結果が決まるとよくいわれます。
●温度
・成長温度範囲…5-32℃
・好適温度範囲…菌糸伸長:24-26℃
菌糸体重量増加:15-25℃
材腐朽:25-30℃
●原木の水分
・材中でのしいたけの菌糸成長や材腐朽の好適含水率は35-40%
・しいたけ菌糸成長の下限含水率は23-25%
・含水率が11%以下になると死滅
(夏季高温時の水分不足は過乾燥をしきおこし成長を抑制してしまう)
木の中の水分の把握は困難なので、植菌穴・重さ・木についた雑菌の種類や木を割って断面の色を確認して判断していきます。
②原基形成(芽づくり)
●しいたけを収穫するにはこの原基形成とうい段階がとても重要。
原基形成ができないとしいたけはでてこないです。
・芽づくりの好適温度は概ね20℃~25℃
・15-25℃で原基形成する
・10℃や30℃ではほとんど形成しない。
常にしいを作るためには夏は温度を上げすぎず冬は温度を下げすぎないようにして、しいたけができる為のスイッチを入れておくように管理します。
③キノコ形成
・①~②を経た原木に低温刺激や打木刺激を与えると栄養成長から生殖成長への転換が起こる。
・春や秋が「しいたけ」の旬と呼ばれる理由は、
「春」…寒い→暖かいの温度変化が”刺激”になり、雨が降ると水分を補給できて自然発生がおこる。
「秋」…暑い→寒いの温度変化が”刺激”になり、雨が降ると水分を補給できて自然発生がおこる。
という温度の変化が自然にできる為です。
ただし、雨が全く降らない場合は水分が補給できずに生殖成長へ転換しにくい為、不作になることもあります。